『流浪の月』を読んで〜レビュー〜

凪良ゆう先生 『流浪の月』 感想

愛ではない。

けれどそばにいたい。

私が購入したものは、文庫本なのですが、その帯の言葉です。

  1. 『流浪の月』 要約
  2. 『流浪の月』感想
  3. まとめ

⒈『流浪の月』要約

自由な母、優しい父、仲の良い2人に囲まれて育った主人公の“更紗(さらさ)”

いつまでもそんな家族のなかで生きていけると思っていたけれど、それは叶わなかった。

父が亡くなり、母も更紗のもとから去っていく。

そして、預けられた親戚の家。

買い直されたランドセル。

夕食にアイスは食べられなくなった。

そして、更紗を脅かす存在の従兄弟。

そんな窮屈な日常の中、更紗が出会ったのが“文(ふみ)”だった。

2人の穏やかな生活。

更紗の心に空いた隙間を意図せず埋めてくれる文。

そして、同じように文の心の隙間にも、更紗の明るい屈託のない素顔が広がっていく。

 

けれど、それは突然終わりを迎え…。

そんな2人がそれぞれの時を過ごしながら迎えた《今》

再び出会った2人が、再び時を紡いでいく。

そして…明かされていく真実に、更紗の思い、そして文の思い。

それぞれの物語が、語られていく。

 

⒉『流浪の月』感想

ネタバレ注意です。

最初は、単純に惹かれあう2人の物語だと思って読み進めていました。

2人にとっての真実が、世間の真実とは違うということ。

そして、そのことに更紗は傷つき、もがいている。そして、文は逆にそれをただ受け入れている。

その過程が、丁寧に描かれていて、もう…2人に感情移入しまくりで、一気に読破しました。

凪良先生の物語は、本当に登場人物の心・思いが丁寧に書かれていて、大好きなんです。

しかも、主役2人それぞれのターンがあって、それぞれの真実が分かっていきます。

そこで、私の涙腺と感情が崩壊するような感覚になりました。

「う〜…そういうことかぁ〜…」

「えぇーーー……」

自分の心がジェットコースターに乗っているようなような気分でした。

 

自分の真実と他人の真実が違うことは、きっと日常にもあって、

人は、勝手に、本当に無意識に、それを「自分と違う」「それは違う、おかしい」と判断してしまうところがあると私は思っています。

でも、立場が違えば見えるものも違うし、そこから感じることも違って当たり前なんだと改めて感じました。

むしろ、相手の他人の真実なんて何にも知らないのに、ジャッジしていることも多いのではないだろうか?

それはあまりにも悲しくて、辛い。

ただの見えている一場面を見て、決めつけること、それを排除してしまうことの怖さを感じました。

子育てをしていると、子どもの何気ない行動を決めつけて怒ってしまうことが私はたくさんあることに気づかされます。

その行動の先にある思い・考えも、ちゃんと聞こうと思いました。

人の数だけの思いや考えがあって、そこに真実というか本質が隠れているんだと。

⒊まとめ

映画化もされた凪良ゆう先生の『流浪の月』

ぜひ、原作である書籍も手にとってみてくださいね。

私も、映画が配信されたら絶対チェックします!!

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